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最高の鮮度の海鮮料理をお出しするためには

宮古島産、生マグロとキャビアのカルパッチョ

マグロや鰹には遠洋ものと近海日戻りものがあります。

遠洋ものとは大型船で遠出をし釣った魚を瞬間冷凍にかけ、船の冷凍庫がいっぱいになれば帰港し水揚げされたものです。近海日戻りとはその日に出港しその日に港で水揚げされたものを言います。

宮古島で獲れるマグロと鰹は近海日戻りものとなります。これがまず重要なポイントで冷凍されたものは解凍しないと食べられません。故に解凍する間に魚本来の食感が損なわれ水っぽくもなり臭みが出るのも早くなります。近海ものは冷凍されていないので本来の食感が残り臭みもなく美味なのです。

しかも釣って経過8時間程度なら死後硬直も始まっておらず「もちもち」とした食感が味わえます。これが俗に言う「モチ(餅)鰹」と言われるものです。

すなわち釣ってから8時間程度しかこのモチモチとした食感は残らないのです。この食感を召し上がった方なら、なぜ当店がその日ものにこだわっているのかが納得いただける事と思います。

しかしその日に釣れたもの全てが餅鰹やマグロという訳ではありません。早朝に釣れて8時間以上経過したものや、そうでなくても氷の温度が低い場所で保管され水揚げされたものなど10本のうちこれはOKというものは3本程度なのです。なので多くの魚の中から尾だけで餅鰹を見極めなければなりません。

さらにこちらの漁法は一本釣り漁法です。打撲や血抜きされていない状態を目利きで判断しなければなりません。私が和歌山県周参見で学んだのはケンケン(引縄漁)です。一本釣りは群れに当たると大漁です。その代わりデッキにぶち当たったりで打撲や内出血したものもあります。即死だと血液が抜け切れなく血生臭い匂いがします。ケンケン漁は血を抜き切るので身持ちもよく、何日か経過しても鰹の臭みは殆どしませんので、こちらでも失血死した打撲のないものを見極めて仕入れしております。

私が和歌山にいた頃、日戻り鰹やマグロを食べさせてもらって衝撃を受けました。都会で食べてた鰹やマグロしか知らなかった私は、それ以来概念が変わりお越し頂くお客様にもぜひ召し上がっていただきたいと思い、開店ギリギリになる事もありますが仕入れに情熱を注いでおります。

※写真は日戻りの生マグロと海ぶどうとキャビアのカルパッチョ

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